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歩く犬
 私は現在同い年の彼女(Y)と同棲中だ。互いの親はこの事を知らないというのを含め、色々あったが生活も落ち着いてきた。

 そんなある日、私は彼女に起こされた。今日は朝ゼミも授業もないので目覚ましをかけずに寝たら、少々寝すぎたらしい。彼女は仕事へ行く準備が終わっていた。寝ぼけながらどうした?と聞くと。

Y 「悪いんだけど、ゴミを捨ててきてくれる?」

 だそーだ。もちろん断るわけにはいかない。彼女は社会人。私は学生。随分と苦労もかけている。出来ることはやろう、そう思っていた。いや、ホントに
 私とゴミ袋は彼女と一緒に家を出た。ゴミ捨て場には歩いて行ける距離だ。途中までは彼女と歩き、そして見送った。さてゴミを始末しに行くか・・・

・・・
・・


 私は家に帰ってもう一度寝るかどうかを眠い頭で考えていた。今日は授業もない。

Я (どうしよっかなー・・・)

 もともと家からゴミ捨て場までは大した距離ではない。そんな事を考えているうちに家に着いた。私はやはり午前中は寝ていようと考え、家のドアを開け・・・ドアを開け・・・

Я (え?)

 最初に頭に浮かんだのはそれだけだった。

Я (まさか・・・)

 ドアは開かなかった。鍵を閉められているが如く。いや、むしろ鍵を閉められ締め出されたのは明白だった。眠い頭が段々と冴えてくる、というか眠気を忘れてくる。ざっと考えてみた。

①携帯で彼女を呼ぶ   → 携帯が家の中
②公衆電話で彼女を呼ぶ → 財布が家の中
③車で彼女を追う    → 車の鍵が家の中
④徒歩で彼女を追う   → ・・・

 いや④とかありえないし。彼女はかなり急いでいたので、最早バス停にはいないだろう。追うってどこまで追えばいいのだ。しかし、このまま待っている訳にもいかない。

・・・
・・


 私は歩いていた。走っていたのは最初の1kmくらいだ。自分の体力の無さを痛感しながら、道のりを思い浮かべる。おそらく、あと5km程だ。私は汗を拭いながら悪態をついていた。

Я (財布も無いからジュースすら買えん・・・)

 しかし、今日はなんて暑さだ。まだ6月だというのに・・・。この時の私の格好は起きた時のままで、ジャージにロンTそしてスニーカーである。もし上に着ている物が普通のTシャツだとしたら、早朝ランナーにも見えなくも無いが、ロンT(しかも変な柄入り)が見事にその雰囲気を打ち砕き、謀らずともゴミ出し帰りの男的なオーラを存分に発揮していた

Я (なんてことだ。てか遠い・・・)

 車とはなんと便利なものだろうか。いや、そんなことはいい。私は、中間地点付近ではないかと思われる橋に着いた。

Я (よし、この橋を渡れば残り半分だ。この橋を渡れば・・・この橋を・・・このh・・・)


長え。


 さすが日本一の川に架かる橋である。橋が終わらない。私は汗だくになりながら歩を進めた。

 歩くことおそらく1km・・・ようやく、長い橋に別れを告げ、いよいよ駅前に近づく。スーツに身を固めたサラリーマン、開店準備をするショップの店員、通学途中の女子高生の横をジャージ・ロンT・スニーカーの男(私)がぜぇぜぇ言いながら通り過ぎるのはさぞきも異質に写っただろう。しかし、もう少しで彼女の会社だ。

・・・
・・


Я (着いた・・・)

 私は苦難の果にようやく彼女のいる会社のビルに辿り着いた。しかし、問題はここからだ。いくらなんでもこの格好のまま入っていく訳にもいかない。私は少々待ってみたが、彼女は案の定現れず、ビルの管理人らしいおっちゃんに話をしてみた。

Я 「あのー。すいません」

お 「はい?」

 予想よりは軟らかい反応だったが、あからさまに警戒している

Я 「このビルで働いてる方に用事があるんですが・・・」

お 「アポはあるの?」

Я 「いや、それが・・・」

お 「じゃあ、一度約束を取り付けてから来て」

 やはり予想通りの展開だったが、こっちにも事情がある。ダメもとで説明を試みた。すると・・・

お 「なるほど。わかった、わかった。今呼び出すから待ってな」

 おぉ!話せば分かった!!素直に言ってみるものだ。ビルの内線で呼び出してくれるらしい。

お 「今会議中だってよ。中で待つかい?

Я 「ここで待ちます

 この格好でビル内で待たされるなんて嫌がらせに等しい。おっちゃんの提案に対して私はここで待つと主張した。
 しばらくして彼女が来た。私が訪ねてきたことで、どうやら彼女も鍵の事に気付いたらしい。

Y 「ごめん~。鍵でしょ?でも、どーやって来たの!?」

Я 「歩いて来た」

Y 「え!?」

Я 「鍵貸して」

 彼女は驚いていたが、私が鍵を受け取ると彼女はバスを使えと言って私に金をよこした。しかし、なんとなく気が引けたので受け取らずに歩いて帰ることにした。いや、ホントになんとなくなんだけどね。



もちろん、帰り道の橋の上で後悔したのは言うまでも無い。

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コメント
この記事へのコメント
は、初めまして!
すいません、かなり笑えました。
この文章の光景を思い浮かべて。
コメント書くつもりじゃなかったんですが、めちゃ大変だったでしょうね。
さぞや、彼女もびっくりした事でしょう。
でも、歩くガッツに脱帽です!
2005/06/08 (水) 23:08:04 | URL | shoujo #BxQFZbuQ[ 編集]
おじゃまします~。
履歴で来ました。
文章がとてもおもしろいですね!
引き込まれてしまいました。

ゴミ出しだけのはずが、いろいろ
あり大変でしたね。お疲れ様です。^^;
2005/06/09 (木) 00:56:21 | URL | ラテ #CLD2wgeY[ 編集]
はじめまして
>ラテさん、shoujoさん

はじめまして。

いまだに筋肉痛です。年をとると翌々日位が一番つらいっす(--;)
2005/06/09 (木) 11:05:51 | URL | Я(管理人) #tidDGTGA[ 編集]
こんにちは
初めましてー
履歴から飛んできました。

傍観するだけにしようかと思いましたが
あらぬ事を考えてしまったので、それを
書き残しておきます(笑


ゴミを捨てに行かされ、戻ったら鍵をしめられ
中に入れなかったというのが、てっきり
ゴミを捨てるつもりが彼女に捨てられたと
そういう落ちなのかと思いました(汗


まぁそうじゃなくてホッとしましたよ(苦笑

お互い更新頑張りましょう~
2005/06/09 (木) 12:10:28 | URL | えの #-[ 編集]
・・・
>えのさん

笑えないっす(^^;)
2005/06/09 (木) 18:04:44 | URL | Я(管理人) #tidDGTGA[ 編集]
はじめまして 迷犬さん。

笑えましたm(__)m
私も最初、えの さんと同じことを・・・
彼女は怒らなかったのですね。。。
いい人ですねー

私ならきっと態度に。。。
2005/06/10 (金) 16:11:38 | URL | 月虹 #-[ 編集]
はじめまして
Яさん、はじめまして。
わたしも履歴から来ました。

プロフィールとお名前拝見してびっくりしたのですが
わたしも1981年生で、中越在住です。
しかもこの名前でブログやってます。

すごい偶然だなあ と思ってしまったので思わず書き込んでしまいました。

ではでは、またお邪魔させていただきます。
2005/06/11 (土) 09:25:37 | URL | R #AsMyCJZg[ 編集]
お邪魔します
履歴から飛んできました。
この記事を読んで他人事とは思えず・・・。
私も締め出しくらいました。
私の場合、相手は出張へ旅立った日でした。しかも飛行機で。
歩いていける距離ではありません。
同じように携帯・財布・鍵、全て家の中です。
ベランダによじ登り、サッシをガタガタと揺らして鍵を外しました。
1階に住んでてよかったと思いつつ、なぜこんな泥棒じみた真似を・・・と大きく凹みました。
2005/06/13 (月) 21:53:52 | URL | cyodebusu #XO1QcXfI[ 編集]
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