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揺れる犬② ~暗闇~
 寺泊のコンビニにて私達は地震にびびっていた。落ち着くため、飲み物を買い、それに口をつけようとしたその時、彼女(Y)のケータイが鳴った。

Y 「もしもし・・え?・・はい・・はい・・・大丈夫です・・・はい・・・わかりました。ありがとうございます」

Я 「どした?」

Y 「会社の上司。今、結構大変なことになってるから、長岡に帰んない方がいいって」

Я 「え?どういうこと?」

 彼女は答えた。

Y 「なんか中越の方でおっきい地震があったんだって

 私はそれを聞いたとき、特にリアクションをしなかったのを憶えている。意外にも2人とも落ち着いていた。大きい地震といっても先程のもの程度だろう。そう考えたのだ。時間は6時を少し過ぎた頃である。どんな様子か私達は長岡にいる友人達に連絡をとろうと試みた。しかし・・・

Я 「どう?」

Y 「だめ。ぜんぜん繋がんない」

 2人の携帯は友人達に繋がることはなかった。さて、どうするかと考えているとYの携帯が再び鳴った。

Y 「もしもし、え?・・・いや・・・うん・・・うん・・・わかった・・うん・・それじゃ」

 どうやら県外の親かららしい。私は彼女に尋ねた。

Я 「なんだって?」

Y 「なんか、テレビとかですっごい報道されてるってさ」

 なんと、事は我々が考えていたよりも重大であったようだ。しかし、帰るなと言われたら帰ってみたくなるのが心情だろう。

Я 「どーする?」(←帰る気満々)

Y 「えぇ~?どーしよっか?」

Я 「なんか家とか心配だし気をつけて帰ってみない?」(←とりあえず理由付け)

Y 「でも、危ないって言ってたし・・・」

Я 「俺運転するしさ」(←犠牲的精神をアピール

Y 「う~ん・・・」

Я 「大丈夫だって」(←すでに根拠なし

 そして、上のようなやり取りの後、家に帰ることなった。その時も我々は相変わらず楽観的で、さほど危機感というものは持っていなかった。

・・・
・・


 30分ほど走っただろうか。今度は私の携帯が鳴った。珍しく親父の携帯からだ。

Я 「もしもし」

父 「やっと繋がった。おまえ大丈夫か?」

Я 「平気。長岡にいなかったし」

父 「そうか。母さんから連絡があってな。お前に電話が繋がらないから、そっちからも電話してみてくれって」

Я 「そっか。でもとりあえず大丈夫」

父 「でも長岡の方は停電してみてるみたいだから気をつけろよ」

Я 「あいよー」

 私はそう言って電話を切った。長岡まではもう少しある。

Я 「なんか長岡は停電してるってさ」

Y 「えー!やばいじゃん」

Я 「大丈夫でしょ」

Y 「だって、もう暗くなってくるよー」

Я 「別に信号とかが消える訳じゃないじゃん?信号とかの電気とかって止まらない(と思う)し」(←断言)

 さらに、

Я 「ほら、新潟とかの道路って降雪に備えて強く出来てる(と思う)し」(←得意げ)

 などと自身の教養と危険地帯(?)へ乗り込むという背徳感に酔いながら長岡へ向かった。

Я (さて、そろそろ長岡だよな・・・しかし、暗い道だな。田んぼ道だからしょうがな・・・)

 私は違和感の正体に気付いた。

Я (いや、違う・・・信号が点いてない!?)

 そう、信号が消えているのだ。前の車がやけに減速しながら走っているというのには気付いていた。それは、普段信号によって整理されていた交差点で左右を確認していたためだったのだ。

Я (なんてこった・・・さっき自信満々で大丈夫って言ったのに・・・)

 私は平静を保ちつつ、慎重に車を走らせる。そして、ある所で前の車たちは減速し蛇行・・・というより何かを避けていた。私もつられて減速する。ちなみにそこに信号機はない。

Я (ん?・・・わっ!?道路が陥没してる!?)

 そこにはひび割れたアスファルトとものすごい段差があった。車のライトがあったとはいえ、暗い夜道で車に乗ったままでも分かるほどの段差・・・

Я (なんてこった・・・さっき自信満々で大丈夫って言ったのに・・・)

 その時、私は地震が大規模であるということは分かったが、自分の発言の未熟さを悔いており、地震事自体の事は考えていなかった・・・

もう長岡は目の前だった。そこで私達を待ち受けていたものは・・・

続く・・・
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揺れる犬① ~序章~
去年の事だ。

 その日、私と相方(Y)は新潟市の某水族館へ行った。多少肌寒かったが、私にとっては数年振りの水族館であり、なかなか楽しめた。イルカショーでは一般客がイルカと触れ合えるという企画をしていて、Yが「私も行っていい?」という目線を私に投げかけていたが、シカトした年齢の低い子達に譲ってあげろと言ってなだめるなどという微笑ましい光景もあった。

 さあ、という訳で家へ帰ろう。ここからだったら2時間程度か。私は車を走らせた。その途中、寺泊あたりで私は妙な感覚に襲われた。

Я (ん?車がフラフラする・・・パンクか?)

 そう思ったものの、すぐに車はもとの挙動を示した。

Я (あれ?直った・・・でも、なんか不安だ・・・)

 私はYに言った。

Я 「ちょっとコンビニ寄らない?」

Y 「いーよ」

 私は車をコンビニに止めとりあえずタイヤを見てみるが、変わった所は無かった。そして・・・

ガタガタガタ・・・

Я (わ、地震だ・・・)

 ふとYの方を見ると微動だにせず(固まって)、立ち尽くしていた。揺れは数秒だったのだろうが、私達には長く感じられた。

Я (結構大きかったな・・・)

 そう思ってつかの間の数分後、また大きい揺れが。私とYはやはり咄嗟には動けず、またもや立ち尽くすのみであった。

Y 「なんか怖いね(汗)」

Я 「うん・・・」

 その時は「なんとなく怖い」と思っていただけであった。しかし、その後Yにかかってきた電話が私達に衝撃の真実を告げる。

続く・・・
発表する犬②
なんとか見学者への研究発表が終わった。

 どうやら、見学者達は商工会議所のおっちゃん達のように見受けられた。よって、それぞれに得意分野があるらしく、マグの表面改質材の残留応力に関して質問する強者もいれば、「さっぱりわからん」という質問なのか意見なのか独り言なのかわからない事を言う強者までいた・・・。

とりあえずどんな質問にも自身の推測だが断言しておいたので説得力はあったと思う。

発表する犬
 現在、デジカメ購入に向けて奮闘中。。。

 さらに研究業の方も熾烈さを増してきた。これからは毎日が勝負となる。正直論文のイメージが沸かないが、なんとかせねばなるまい。

 そして、今日は産業ナントカセンターから私の研究室を見学しに20名ほどの人が来るらしい。なので前日から研究発表用のポスターの作成をしているのだが、中々これが愉快である。研究の内容を図的に分からせるため、語句は注釈程度、普段は文字説明の所も図示というビジュアルに配慮した構成で攻めてみた。良い出来である。作成の過程で研究に対する理解度はさらに深まった気がする。いや、確かに深まった。マグネシウムの疲労特性・・・ん??・・・俺のテーマは電子実装部品だったはず・・・あ、他人の研究だった・・・

 という訳で、他人の研究を発表しなければならなくなった。よってポスターに沿って発表は出来るが質問には答えられない。どうする・・・。
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