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雪の日の犬
 英語論文を延々と訳すという日々も終わり、久々の更新である。今日のはあんまり面白くないが、熱さを吹き飛ばすため雪の話である。


ある大雪の日、私はある先輩(W)のことを思い出した。

 Wは性格も至って普通であり、勉強もできる方ではなかったが、ここぞという時の集中力は目を見張るものがあった。
 当時彼は卒業を賭けて論文と戦っていた。彼は機械工学を専攻している私とは違い環境設計工学が専門だった。それゆえに機械系のそれよりも実験等に手間と時間がかかり、大変に苦労していた。彼のテーマは(私は専門ではないので詳しくは分からないが)降雪量とシミュレーション方法だったと記憶している。彼は要領が悪かったが、努力家だった。常に研究室に残って研究をし、冬ともなれば彼は外へ飛び出し、降雪の成分分析から降雪分布の確認までをひたすらに頑張っていた。

・・・
・・


 そして、彼は論文を書き上げた。彼の実験の過程等は私にはほぼ理解できなかったが、最終的な結論は明確に理解できた

W 「よって結論は『気温が低くなると雪が降り易くなる』という事です」

 彼は言った。『降る』でなく『降り易くなる』である。なんと当たり前分かりやすい結論であろうか。彼はその要領の悪さ故に、当たり前ごく一般的な結論を堂々と論文発表の締め括りとして高らかに謳ってしまったのだった。私は、言いづらい事を正直に言えない現代において、彼のした行動は賞賛すべきではないかと胸打たれた。なので私は、その後彼を呼び出し、論文の書き直しを命じた教授の良識を疑ってやまない

 私も今現在論文を執筆中である。結論に困ったらこう言おう。

Я 「結論は、『機械はたくさん使うと壊れやすい』です」

 と、当たり前極一般的なことを・・・
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風呂と犬
 私の通う大学には寮がある。普通の寮だ。管理人がいないのと、2人部屋をモルタルの壁で区切って強制的1人部屋を二つ作ったということ以外は何処にでもあるような学生寮ではないだろうか。暗い・汚い・臭い。全国の大学生寮なんてそんなもんdそして、寮には割と広い風呂があった。規則では寮生のみしか入浴を許されていないが、管理人がいないというのも手伝ってか、実際には全く関係の無い者も入っており、無法地帯と化していた。それが原因かどうかは定かではないが、ある時寮中に激震が走った。私は寮生ではなかったがいつものように風呂に入ろうと浴場に赴いたが、ある紙が入り口に貼ってあった。

『警告。レジオネラ菌が発生しました。当分の間風呂の使用は禁止します。』

※レジオネラ菌
 レジオネラ発見のきっかけとなったのが1976年アメリカで起きた集団発生。フィラデルフィアのホテルで在郷軍人総会が開かれ、その参加者などから患者が発生。在郷軍人をLegion(レジオン)といい、これから、「レジオネラ症」という名前が付けられる。レジオネラ症はレジオネラ属菌が原因で起こる感染症で、乳幼児や高齢者、病人などが抵抗力が低下している人がかかりやすい病気でレジオネラ肺炎とポンティアック熱とに分けられる。

 
 いやいやおかしいじゃない。レジオネラ菌て。当時の私でも菌の名前くらい聞いた事はある。そんな衛生環境だったのか。私が愕然としながら貼り紙を見ていると、ふと足元にダンボールが置いてあることに気が付いた。中はなんと郊外のスーパー銭湯の割引券だった。大学側の配慮だろう。しかも半端な量ではない。ダンボールに目一杯という感じだ。しかし、入浴終了間際のこの時間に未だ目一杯の量が残っているということが、その大学の対応策の不人気具合を物語っていた

Я (さすがに遠いって・・・)

 私もそう思ってその割引券には手をつけなかった。

Я (俺は家の風呂があるから平気だけど、生粋の寮生には辛いだろうな・・・)

 そう、簡易的なシャワー室はあるが、定員が少なすぎる。設備の点検にはどれくらいかかるのか・・・私は一抹の不安を感じながら寮を去ったのであった。

・・・
・・


 その後、寮の風呂も復活し、恐るべきレジオネラ菌の恐怖も皆が忘れた頃・・・その事件は起きた。その日私は、いつものように部外者であるにも関わらず寮の風呂を拝借しようと考えていたその時・・・

放 「最近、大学周辺で不審者によるいたずら等が報告されています。学生の皆さんは十分に注意してください

 こんな放送が流れた。実は、私の大学は、研究の支障になるからとかいう理由で放送というものが極端に少ない。にも関わらず最近では学生に注意を促す意味で放送が行われていたのだった。どうやら夜、研究室にロケット花火が打ち込まれたり、下校途中にロケット花火で狙われたりするという事件が起こっているようだ。

Я (気をつけるってどーすりゃいいんだよ)

 私は放送にそんな突っ込みをいれた。気をつけろと言われても、正直、学生レベルでも研究をしていて夜遅くなるなという方が無理である。しかし、そんな私の突っ込みが届くはずも無く、放送は続いていた。

放 「大学構内および研究室等にロケット花火が打ち込まれる被害が・・・

Я (知ってるって。じゃあ、廊下のシャワーを作動させんのか?)

 実は私の大学の研究棟には何メートル置きにシャワーが設置してある。もちろん体を洗うためではない。薬品等が発火し人体に燃え移った時に咄嗟に廊下へ飛び出て水を浴びるためである。しかし、このシャワーは付属の紐を引くと水が出るようになっているが、設置当時から誤って紐を引き廊下を水浸しにする輩が続出、そこで水が出ないようになっているという無用の長物である。そう考えている間にも長い長い放送は続く。

放 「さらに最近では男子学生寮の風呂入り口にも・・・

Я (何!?寮の風呂だと。これは人事じゃなくなってきたな・・・)

放 「大量のオキアミが撒かれるなどの被害が出ています。学生の皆さんは十分に注意してください


オキアミ??

※オキアミ
 節足動物門/甲殻綱/軟甲亜綱/オキアミ目の動物の総称。アミとも言う。形態はエビに似、プランクトン生活をおくる。食用、釣り餌、養殖の餌などに利用される。魚醤の原料としても知られる。ヒゲクジラ類の主要な餌料。


 いやいやおかしいじゃない。オキアミって。なぜオキアミが撒かれるのだ。いやそれよりも大学側がロケット花火襲撃犯とオキアミ散布犯を同一視していることも不思議でしょうがない。どんだけ幅の広い嫌がらせだ。しかも気を付けろって・・・オキアミにか?

 その日寮の奴に連絡したところ、実物は確認できなかったが、風呂の入口に大量のオキアミが撒いてあったのは事実らしい。後に残る異臭がそれを物語っていたそうだ。私は当分の間、寮の風呂を使うのをやめる事にした。臭いし

 現在新たな犯行はないものの、未だ犯人および犯行の意図は不明である。大学側はどう推理しているかわからないが、私は同一犯の犯行ではないと思う。しかし、ひとつ言えるのはロケット花火よりもオキアミの方がやっかいであるということだ。よって、私としては大学側にはロケット花火襲撃犯よりもオキアミ散布犯に対して優先的に対応してもらいたい

 また風呂が使えないのか・・・(←自分んちの使え)
名前な犬
 名は体を現す。そう言われているがその信憑性はどうだろうか。正確にその人を現すかどうかは別にして、多少は性格の変化へは影響するかもしれない。
 実は私は自分の名が気に入らぬ。名前負けしているようだからだ。使う字が格好良くても本人がこれでは・・・と思うこともある。つまり私は自分の名にコンプレックスがあると言える。と同時に変わった名前の物を見ると同情を禁じえない。


 何年か前、私の高校の同級生が結婚した。彼女の名前は『みえ』と言った。ありきたりだがいい名であると思う。そして相手は『まさゆき』。この二人には結婚時にすでに子供がいた。まあ、出来ちゃった婚であるが、そういう時代だ。私も納得した。しかし、さらにその後、彼女達の子供の名前に驚愕する。その子の名前は。

夢々(むむ)』(女)

 もうロリ系のAV女優としか考えられない。変換でも勿論出ない。実は、なぜにこんな名前なのかには理由があった。『まさゆき』の『ま』、『みえ』の『み』・・・そう『ま・み・む・め・も』と続けるために、『むむ』なのだ。彼女が大きくなったら自分の名前に疑問は持たないだろうか・・・さらに私には気になることがある。第2子が誕生したら『めめ』なのか?と言うことである。漢字は『目々』か?それとも『女々』か?つーか、『々』っていう漢字はどう打ったら出るんだ?今後を見守りたいところである。

 
 また上記した程に奇抜な名前でもないが、私の友人にも名前のおかげで不当な扱いを受けている者がいる。

『後●真希』(※フルネームさすがにアレなので一部伏字)

 かのアイドルと同姓同名である。大したことないとお思いだろう。しかし、読み方が違う。彼の名は『まさき』。そう男だ。書面で見れば明らかに女、しかも『ご●うまき』である。彼の配属された研究室の連中はさぞ期待したに違いない。彼は研究室配属初日に先輩からこう言われたらしい。

先 「お前はなにも悪くないよ。悪いのは性別を確認せずにめったにやらない歓迎コンパまで企画した俺達さ

 彼は何も言えなかったそうだ。そりゃそうだろう。


 しかし世の中は広いもの、私からは相当遠いが、私の彼女の同僚の子供の同級生にはさらにすごい名前の子供がいる。その子の名は

『めろでぃー』(おそらく女)

 しかも漢字が存在するらしい。適当に変換したら『目路出井』となった。しかし、これだけではない。この子には2人の兄弟がいる。

『はーもにー』(おそらく女)

『りずむ』(おそらく男)

 の二人である。わかる人にはわかるだろうが音楽の3要素だ。さっき『むむ』にも言ったが4人目が出来たらどうするのだろうか?どう考えても4人目の名前は不自然になる。夫婦の2人には鉄の意志で避妊に励んでもらいた・・・いや待て、この名は2人でも変だ。鉄の意志が働いたのは作る時だったのかも知れぬ。しかし、この3人は音楽をやるしか道が残されていない。なぜなら、日の当たらない教室で試験管をいじる『めろでぃー』とか、剣道部で個人競技に興じる『はーもにー』とか陸上部で自分と戦う『りずむ』とかは彼らの名前がそれを許さないのである可哀想に・・・



 まぁ、こう考えると私の場合は上記した連中に比べれば大分マシなので良しと思う事にしよう
歩く犬
 私は現在同い年の彼女(Y)と同棲中だ。互いの親はこの事を知らないというのを含め、色々あったが生活も落ち着いてきた。

 そんなある日、私は彼女に起こされた。今日は朝ゼミも授業もないので目覚ましをかけずに寝たら、少々寝すぎたらしい。彼女は仕事へ行く準備が終わっていた。寝ぼけながらどうした?と聞くと。

Y 「悪いんだけど、ゴミを捨ててきてくれる?」

 だそーだ。もちろん断るわけにはいかない。彼女は社会人。私は学生。随分と苦労もかけている。出来ることはやろう、そう思っていた。いや、ホントに
 私とゴミ袋は彼女と一緒に家を出た。ゴミ捨て場には歩いて行ける距離だ。途中までは彼女と歩き、そして見送った。さてゴミを始末しに行くか・・・

・・・
・・


 私は家に帰ってもう一度寝るかどうかを眠い頭で考えていた。今日は授業もない。

Я (どうしよっかなー・・・)

 もともと家からゴミ捨て場までは大した距離ではない。そんな事を考えているうちに家に着いた。私はやはり午前中は寝ていようと考え、家のドアを開け・・・ドアを開け・・・

Я (え?)

 最初に頭に浮かんだのはそれだけだった。

Я (まさか・・・)

 ドアは開かなかった。鍵を閉められているが如く。いや、むしろ鍵を閉められ締め出されたのは明白だった。眠い頭が段々と冴えてくる、というか眠気を忘れてくる。ざっと考えてみた。

①携帯で彼女を呼ぶ   → 携帯が家の中
②公衆電話で彼女を呼ぶ → 財布が家の中
③車で彼女を追う    → 車の鍵が家の中
④徒歩で彼女を追う   → ・・・

 いや④とかありえないし。彼女はかなり急いでいたので、最早バス停にはいないだろう。追うってどこまで追えばいいのだ。しかし、このまま待っている訳にもいかない。

・・・
・・


 私は歩いていた。走っていたのは最初の1kmくらいだ。自分の体力の無さを痛感しながら、道のりを思い浮かべる。おそらく、あと5km程だ。私は汗を拭いながら悪態をついていた。

Я (財布も無いからジュースすら買えん・・・)

 しかし、今日はなんて暑さだ。まだ6月だというのに・・・。この時の私の格好は起きた時のままで、ジャージにロンTそしてスニーカーである。もし上に着ている物が普通のTシャツだとしたら、早朝ランナーにも見えなくも無いが、ロンT(しかも変な柄入り)が見事にその雰囲気を打ち砕き、謀らずともゴミ出し帰りの男的なオーラを存分に発揮していた

Я (なんてことだ。てか遠い・・・)

 車とはなんと便利なものだろうか。いや、そんなことはいい。私は、中間地点付近ではないかと思われる橋に着いた。

Я (よし、この橋を渡れば残り半分だ。この橋を渡れば・・・この橋を・・・このh・・・)


長え。


 さすが日本一の川に架かる橋である。橋が終わらない。私は汗だくになりながら歩を進めた。

 歩くことおそらく1km・・・ようやく、長い橋に別れを告げ、いよいよ駅前に近づく。スーツに身を固めたサラリーマン、開店準備をするショップの店員、通学途中の女子高生の横をジャージ・ロンT・スニーカーの男(私)がぜぇぜぇ言いながら通り過ぎるのはさぞきも異質に写っただろう。しかし、もう少しで彼女の会社だ。

・・・
・・


Я (着いた・・・)

 私は苦難の果にようやく彼女のいる会社のビルに辿り着いた。しかし、問題はここからだ。いくらなんでもこの格好のまま入っていく訳にもいかない。私は少々待ってみたが、彼女は案の定現れず、ビルの管理人らしいおっちゃんに話をしてみた。

Я 「あのー。すいません」

お 「はい?」

 予想よりは軟らかい反応だったが、あからさまに警戒している

Я 「このビルで働いてる方に用事があるんですが・・・」

お 「アポはあるの?」

Я 「いや、それが・・・」

お 「じゃあ、一度約束を取り付けてから来て」

 やはり予想通りの展開だったが、こっちにも事情がある。ダメもとで説明を試みた。すると・・・

お 「なるほど。わかった、わかった。今呼び出すから待ってな」

 おぉ!話せば分かった!!素直に言ってみるものだ。ビルの内線で呼び出してくれるらしい。

お 「今会議中だってよ。中で待つかい?

Я 「ここで待ちます

 この格好でビル内で待たされるなんて嫌がらせに等しい。おっちゃんの提案に対して私はここで待つと主張した。
 しばらくして彼女が来た。私が訪ねてきたことで、どうやら彼女も鍵の事に気付いたらしい。

Y 「ごめん~。鍵でしょ?でも、どーやって来たの!?」

Я 「歩いて来た」

Y 「え!?」

Я 「鍵貸して」

 彼女は驚いていたが、私が鍵を受け取ると彼女はバスを使えと言って私に金をよこした。しかし、なんとなく気が引けたので受け取らずに歩いて帰ることにした。いや、ホントになんとなくなんだけどね。



もちろん、帰り道の橋の上で後悔したのは言うまでも無い。

事件な犬
Я (どーしてこんなことになったんだ・・・)

目の前には異常な光景が広がっていた。

歩道の上に倒れている男(←動かない)
泣きじゃくる女(←泣いているのではなく泣きじゃくっている)
なにかを叫ぶ熟女(←誰?)
救急車(←こんなに近くで見たのは初めて)
怒声を上げる救急隊員(←怖い)
人垣(←私達を取り囲んでいる)

Я (どーしてこんなことになったんだ・・・)

 私はもう一度心の中で呟いた。

・・・
・・


 その日は演奏会だった。みな日頃からのつらい練習から解放されたとあって、打ち上げでは大いに飲んだ。指揮者であったTさんも例外なく飲んでいた。ウイスキーをロックで。わからなくもないが、今考えれば1次会からそれはとばし過ぎだった


 実はTさんは大学に入ってから『栄養失調』と診断されたことがある強者だ。この飽食時代この国にいながらまさかの栄養失調。不健康さにかけては部員一同から一目おかれて(心配されて)いた。もうなんかやばいとか通り越して面白い(自分に関係なければ)。ある時彼は言った。

T 「最近、コーヒーとタバコしか口にしとらん

 そう言ったTさんの口元は確かに微笑んでいた。その言葉を聞いた時、私は、もしかしたら、彼はいかれt自分の限界を知りたいのではないか、もしくは、コアラやジュゴンのようにほぼ単一の食物のみで栄養の摂取をして生きていこうという人間としての大自然への挑戦だったのではないか、そう感じた。しかし、彼の唯一の誤算はタバコに栄養がなかったことであった。そういう問題じゃないか・・・
 
 まぁそんな彼である。アルコールに勝てるはずもなく、1次会場を出て、NOVAから出てきた少年達にその少年達より拙いであろう英語でカラみ、その後、2次会場直前で力尽きた訳である。

・・・
・・


 そんな彼にも彼女がいた。Mさんである。彼女はTさんの近くにいたためか彼の苦悩を知っていた。なので彼に触発され彼女も1次会で飲んでいた。私は彼女の話を良く聞いていたが、Tさんはどうこうと色々語っていた。そこまでは良かったが、1次会から2次会場へ移動する途中、あろうことかMさんは感極まって泣き出した。わたしはなんとかフォローしようと試みるが、酒の勢いがあるため中々泣き止んでくれない。そして2次会場の直前で私達は彼を見つけてしまった

M 「・・・!?・・・君・・・T君!?T君!!!?・・・いやぁぁぁぁぁ~!!!!(号泣)」

Я 「いや、あの、ちょ、落ち着い・・・」

M 「いやぁぁぁぁぁ~!!!!?(号泣)」

 いや意味わかんないし。死んでねーし。他の部員達はもう2次会に行ってしまったようだった。とりあえず部長としてなんとかしな・・・

M 「いやぁぁぁぁぁぁ~!!!(号泣)」

 うぜぇ。まだ9時前だ。駅前ということもあり通行人が次々に振り返っていく。

Я 「Mさん、大丈夫ですって。ほらTさんも起きてくだ・・・」

T 「ぅげぇぇぇ」

Я 「どぁぁぁ!?

 これまで全く動かなかったTさんが動いたと思うと、私の予想通りの結果を体現した

Я (いや、落ち着け。よく考えろ。何が最善なんだ)

 私は頭を働かせた。

Я (俺は酒は入っているが極少量だ。しかし、車は結構遠い場所に停めてある。仮にここに持ってくることが出来てもこの男を乗せることができるのか?少なくともこのゲ○くさい男はタクシーに乗車拒否されるのは間違いない。まずは2次会場から応援を・・・)

 と思った時。

 「んまぁ~~!なにやってんの!?」

 声が響いた。そこには着物を着た女性が立っていた。どうやらTが倒れている目の前の居酒屋の店主らしい。私は勝手に名前を『順子』に決めた

J 「なにしてんの!?早くどいてちょうだい!!」

 確かに店の前に泥酔した男が倒れていてはいい迷惑だ。しかし、今Tさんを動かすことは出来ない。

Я 「すいません。ちょっとこいつ飲みすぎちゃったみたいで・・・」

J 「そんなんは見ればわかるのよ!だからどいてって言ってるでしょ!」

 さすが、居酒屋店主である。飲みすぎたのを一目見て察知するばかりか、それを踏まえた上でどけということらしい。どさくさに紛れ、私は先輩であるTさんをこいつ扱いしていたことは気にしない

Я 「本当にすみません。今ちょっと動かせないみたいなので・・・」

J 「ったく。こんな飲み方して。あんたもね泣いたって駄目!!」

 順子(仮)は、まだ嗚咽しているMさんに吐き捨てた。いや駄目って言われても・・・。しかし、いつまでも順子やMに付き合ってる訳にはいかない。私は決心して携帯をてに取った。このままでは順子(仮)が救急車ではなく警察を呼びそうな勢いだったからだ。ふと周りを見る。通行人が遠巻きに私達を見ているのが分かった。それを順子(仮)は知ってか、さらに私に言った。

J 「ほんといい迷惑だよ!」

Я 「本当にすいません。・・・あ、もしもし。はいそうです。泥酔して・・・はい。場所は駅前の・・・はい。お願いします」

 私は生涯で初めて救急車を呼んだ。来るのにはおそらくそんなに時間はかからないだろう。しかし、その間順子(仮)は説教を続ける。私に向かって。まぁ、話を聞ける状態なのが私ぐらいだからだが、酒の飲み方について切々と語りだした。てか仕事しろ。Mさんは相変わらず泣いている。いいかげん立ち直れ
 しばらくすると救急車が到着する。いよいよ我々の周りの人達の注目を集めてしまう。救急隊員が降りてきた。私は事情を説明せんと、恰幅のよいおっちゃんに歩み寄る。

救 「どうしてこんなに飲んだんだ!!?」

 彼は私に向かって怒鳴った。いや、意味わかんないし。私か?私がなにをしたというのだ。どうして飲んだかなんてのはそこで今もゲロゲロやってる、それに聞いてくれ

救 「こんなんなるまで飲んで!!」

Я 「すいません。ちょっと羽目を外し過ぎたみたいで・・・」

救 「もう大人だろうが!!」

 大人だから酒飲んでんだろーがよと、言いそうになったが、自分が○○歳であることを思い出し素直に謝った。ふと気付くと周りには人だかりと言うよりも、人垣が出来ていた。どうやら、ほっておいたMさんがまた号泣し始め通行人足を止めさせたらしい。Mさん目線の先には倒れた男。駆けつける救急車。2人に増えた怒号を発する人間(うち1人は熟女)。冷静に見ると、もう何かの事件が起きたとしか見えない状況である。

Я (どーしてこんなことになったんだ)

 私は心の中で呟いた。しかし、まだ味方は現れない。。。

・・・
・・


 その後TさんはMさんに付き添われて救急車で病院に運ばれ事なきを得た。私は別の人間を2次会場から呼び、さらにMさんの付き添いにしてその場から去った。もう付き合ってられん。
 後日、Mさんから聞いたのは、Tさんが病院のベットではじめてMさんに向かって

T 「I love you」

 と言ったそうだ死ね。Mさんはそれを喜んでいた死ね。しかし、酔っててNOVAがフラッシュバックしたんじゃねーの?とは言えなかった。


つーかこんなオチはいらん。

騙す犬②
H 「俺の中で全部は消化できてないんだよね」

Hは言った。

Я 「へぇ」

 3月にあった合同演奏会の話である。どうやら代表であった彼は燃え尽き症候群あるにらしい。肩書きのみの幹部であった私にとって、3ヶ月近く過ぎた今でも消化できていないというのは信じられないであった。

Я 「なにがダメなわけ?」

H 「う~ん、なんか終わったって感じがしないんだよね」

Я 「ふーん、そんなもんか?あ、でもAさんとは飲んだんでしょ?」

H 「そーなんだけどさー」

 Aは幹部の1人であり、同時に指揮者もしているという発言力、権力、キャラ共に秀でた人物だった。そして、HはAからの評価を気にしている節があった。

Я (ったく、影響されやすい男だ。)

 大方、その飲んでる席で何か言われたのだろう。ただ、いくらAが豪快物事をハッキリいうタイプだとしても、この流されやすい男に面と向かってキツイ事を言うとは思えな・・・いや、そうでもないか。私は例の倍額払った打ち上げでAと話した事を思い出していた。

Я 「そーいや、Aさんも代表やりたいって言ってたよね」

H 「え?そーなの?」

 あ、やべ。どうやらこの話は知らなかった様だ。てっきりこの事で消化できていないとか言っているのだと思ったが・・・。兎にも角にもこの男の性格上おそらく・・・

H 「んだよーそれ、もーいーよー」


はい来た。


やはりこうなったか。

Я 「いーじゃねーか別に。終わったんだし」

H 「あー、もうAちゃんとかとすげー会いたくなくなったよー

会いたくなくなったって・・・ほっときゃ会わねーよ

Я 「なにが不満なんだよ。別にそういう風に思ってもいーじゃねーか」

H 「そういうのは直接言ってくれっつーの」

 分からなくもないが、Hの場合、直接言ったら今の倍は凹むだろーけどなメンドクセーけどフォローしてやるか。つーかBにそっくりだな

Я 「そーいや、Aさんは『自分も代表をしたかった』とは言ってたけど、『自分が代表をすればよかった』とは言ってなかったよ」

 Hはすぐに食い付いた。

H 「え?まじで?」

Я 「うん。確かに言ってた」

 嘘である。とっさにこんな嘘がつけるなんて・・・母さん、世知辛い世の中に揉まれ、息子は(以下略・・・

H 「なんだよー、そっかー、そこ重要だね!そっかー熱いね!!(意味不明)今すげー納得した!!(意味不m・・)なるほど、いやー熱いね!!(二回目)」

 ・・・すげー真顔で「100パー嘘だよ」とか言ってやりたい衝動に駆られたが、後がメンドーなので私にも慈悲があるのでやめておいた。やさしい嘘というやつである

しかし、BといいHといい、幸せなのか不幸せなのか・・・
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