
花火な犬①の続きです。前回分を読んでからどうぞ。
↓↓↓
さあ、8月1日である。例年ならこの日の午後から場所取りの場所取りを開始する訳だ。つまり、この日が花火大会の鍵を握るといっても過言ではない。ちなみに、2日は研究室の連中と3日は部活の連中と見ることになっている。
朝、研究室に行くと皆がどの場所を取ろうかと揉めていたので、とりあえず行ってみようと提案したが(AM9:00)、本気でキチ●イ扱いされるという、なんとも残念な感じになってしまった。しかし、この研究室での花火観賞というイベントは教授からの公認で昼間っから場所取りを許可されている。よって、場所が取れなかった場合、どんなことを言われるかわからないのである。私はその旨を皆に説明した後、13:00に花火会場へと向かった。
・・・
・・
・
Я 「ふぅ~」
近くにスーパーに車を止め、会場の河川敷まで歩いてきた。私は3番ゲート前で止まった。
K 「ここですか?」
Я 「あぁ」
同行してきた後輩Kに私は頷いた。実は狙っていたゲートには先客がおり、私は迷ったが、そこの2番手ではなく別のゲート1番手を選んだ。さあ、場所取りの開始である。
・・・
・・
・
とは言うものの、何が始まるわけでもなく只管に待つだけなので異常に暇である。私はKと喋ったり、音楽を聴いたりして過ごしていた。そして、あと1時間ほどで交代要員が来るというその時・・・
? 「ここですよ」
? 「ああ」
? 「お?もう待ってる奴らが・・・」
なんだか、ガヤガヤと6・7人の男達が土手の上に上がってきた。どうやら場所の下見に来たらしい。一目で柄が悪そうだというのは感じた。
1 「おい、兄ちゃんたち」
スーツを着崩したような中年の男性(その1)が私に声をかけた。
Я 「はい?」
1 「もう待ってんのか?」
Я 「はい」
1 「はえーなー」
というと、なにやら仲間で話し始めた。太ったロン毛の男(その2)が物騒なことを言っている。
2 「この場所がいいっすよ。前も広いし」
1 「そうか?」
2 「そいつらに場所取っといてもらえばいいじゃないっすか。ちょっと俺が言って来ますよ」
Я (そいつらって・・・)
2 「おい」
Я (やっぱり・・・)
話の流れからしてなんとなく想像は出来た。私は適当に返事をする。おそらく明日まで我々の後ろの位置を確保したいということだろう。
Я 「なんでしょう?」
2 「おめーらの前に入れろ」
Я (なにぃ!?)
そのデブは普通に言った。後ろでなく前に入れろというのだ。しかし、笑って断れる雰囲気ではなかった。私は多少顔を引きつらせながら、明確に拒否の姿勢を示してみた。
Я 「いや、それは勘弁してください。こっちが先に並んでたんで」
2 「あ?かわんねーだろーが」
Я 「いや、並んでるんで・・・」
2 「おめーらも俺らの後ろの方が得だと思うぜ?」
Я 「(ちっ、しつけーな・・・何が得なんだよ・・・)・・・いや無理っすねー」
2 「てか、別にウチ等が後ろから行ってもいいんだけどよ。本気でやっぞ」
その時、イライラしてきたデブをその1がなだめた。
1 「おいおい。あんまカタギにつっかかんじゃねーよ」
Я (・・・え?)
その1の言葉は自分達がカタギの人間ではないという意味だった・・・
続く・・・
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さあ、8月1日である。例年ならこの日の午後から場所取りの場所取りを開始する訳だ。つまり、この日が花火大会の鍵を握るといっても過言ではない。ちなみに、2日は研究室の連中と3日は部活の連中と見ることになっている。
朝、研究室に行くと皆がどの場所を取ろうかと揉めていたので、とりあえず行ってみようと提案したが(AM9:00)、本気でキチ●イ扱いされるという、なんとも残念な感じになってしまった。しかし、この研究室での花火観賞というイベントは教授からの公認で昼間っから場所取りを許可されている。よって、場所が取れなかった場合、どんなことを言われるかわからないのである。私はその旨を皆に説明した後、13:00に花火会場へと向かった。
・・・
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Я 「ふぅ~」
近くにスーパーに車を止め、会場の河川敷まで歩いてきた。私は3番ゲート前で止まった。
K 「ここですか?」
Я 「あぁ」
同行してきた後輩Kに私は頷いた。実は狙っていたゲートには先客がおり、私は迷ったが、そこの2番手ではなく別のゲート1番手を選んだ。さあ、場所取りの開始である。
・・・
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とは言うものの、何が始まるわけでもなく只管に待つだけなので異常に暇である。私はKと喋ったり、音楽を聴いたりして過ごしていた。そして、あと1時間ほどで交代要員が来るというその時・・・
? 「ここですよ」
? 「ああ」
? 「お?もう待ってる奴らが・・・」
なんだか、ガヤガヤと6・7人の男達が土手の上に上がってきた。どうやら場所の下見に来たらしい。一目で柄が悪そうだというのは感じた。
1 「おい、兄ちゃんたち」
スーツを着崩したような中年の男性(その1)が私に声をかけた。
Я 「はい?」
1 「もう待ってんのか?」
Я 「はい」
1 「はえーなー」
というと、なにやら仲間で話し始めた。太ったロン毛の男(その2)が物騒なことを言っている。
2 「この場所がいいっすよ。前も広いし」
1 「そうか?」
2 「そいつらに場所取っといてもらえばいいじゃないっすか。ちょっと俺が言って来ますよ」
Я (そいつらって・・・)
2 「おい」
Я (やっぱり・・・)
話の流れからしてなんとなく想像は出来た。私は適当に返事をする。おそらく明日まで我々の後ろの位置を確保したいということだろう。
Я 「なんでしょう?」
2 「おめーらの前に入れろ」
Я (なにぃ!?)
そのデブは普通に言った。後ろでなく前に入れろというのだ。しかし、笑って断れる雰囲気ではなかった。私は多少顔を引きつらせながら、明確に拒否の姿勢を示してみた。
Я 「いや、それは勘弁してください。こっちが先に並んでたんで」
2 「あ?かわんねーだろーが」
Я 「いや、並んでるんで・・・」
2 「おめーらも俺らの後ろの方が得だと思うぜ?」
Я 「(ちっ、しつけーな・・・何が得なんだよ・・・)・・・いや無理っすねー」
2 「てか、別にウチ等が後ろから行ってもいいんだけどよ。本気でやっぞ」
その時、イライラしてきたデブをその1がなだめた。
1 「おいおい。あんまカタギにつっかかんじゃねーよ」
Я (・・・え?)
その1の言葉は自分達がカタギの人間ではないという意味だった・・・
続く・・・
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8月2・3日。私の住んでいる地域では長岡花火という大規模な花火大会が開催される。具体的には何がかは分からないが日本一らしい。私も、本当に日本一かどうかは別として、その迫力に毎年のように圧倒されている。しかし、私にとって今年の花火大会は史上最悪の思い出になる・・・
・・・
まず、システムについて説明しておこう。花火にシステムも糞もあるかとお思いかもしれないが、この長岡花火にはそれがある。そのシステムというかルールは主に場所取りに関するものだ。この長岡花火は河川敷を利用して行うが、花火との距離が異常に近い。一昨年は上から花火のカス(?)が降って来ることもあった。なので、河川敷の土手の上からでも花火は十分良く見えるのだが、そこは人間の性である。やはり最も接近したくなるであろう。
ここで、観覧場所について呼称を明示しておく。打ち上げ場所に近い順に河川敷A・河川敷B・土手と並んでいる。それぞれのランクを主観で次に示しておいた。
・河川敷A
勝ち組が陣取る。地元大学生や企業の連中が面子を賭けて奪い合う。目前に打ち上げ台があり、昼間は視認できるぐらいの距離。
・河川敷B
県外客などが多い。また、Aほど平坦でないため宴会などが困難。Aより打ち上げ場所からは遠く(約10m)、Aとの間に通行用の道が設けられているため、観覧する際に通行人が邪魔である。
・土手
高さ的には河川敷よりも数メートル高い位置にあり、下(河川敷B)に下りるための階段が設置されている。道路(サイクリングロード?)が通っており、やはり大会時は混雑するため、落ち着いての観覧が難しい。
さて、こう見るとやはり誰しもが河川敷Aで花火を見たくなるだろう。しかし、ここでひとつ重要なルールがある。
『当日の14:00までは場所取り禁止』
これである。どうやら、10数年前はそういったルールを設けていなかったため、大会1週間前からそこでキャンプをする連中が後を絶たなかったらしい。そういった連中排除のために設けられたルールであると言えよう。しかし、このルールの存在によって、当日14:00にヨーイ・ドンで河川敷に人が雪崩れ込むという、なんとも危険極まりないエキサイティングなシステムが出来た訳である。(あまりに主観だが、私はこのヨーイ・ドンが長岡花火の本質であると考えている)
しかし、大会中、このルールの解釈としては、河川敷での場所取りのみ禁止であり、河川敷外での場所取りは公認(?)されている状態である。よって、河川敷Aの場所取るために当日14:00まで、土手の上に待機するという『場所取りの場所取り』が存在する。つまり、前日や早朝から階段近くを確保し、14:00に真っ先に河川敷に駆け下りるという寸法である。
このシステムに則れば、早く来て階段近くを確保した者の勝ちとなる。しかし、ここで問題がある。土手から降りるのに階段を使わない連中の存在だ。私はこいつらをチーターと呼んでいる。まあ、そのままの意味だ。もちろん原則としては階段を使って降りなくてはならないが、このチーター連中は階段以外の場所に設置してある安全柵をも乗り越えて河川敷へ突進するのである。さらに性質の悪いスターターと呼ばれる(私が勝手に呼んでいる)連中もいる。こいつらは単純にフライングをする。これは14:00まで河川敷へは降りてはいけないというルールを覆す最悪の戦法だが、効果は絶大だ。そのフライングの仕方の巧妙さにより集団心理を煽って数万人を先導する事も可能なのだ。
私の経験上では過去に5分程度のフライングをしたスターターがいた。この時はさすがに数百人がやり直しを求め、大会本部に詰め寄ったが、河川敷陣取った推定5万人全員を土手上に戻すことは叶わず、損を蒙った人々は泣き寝入りするしたなかった。
とまあ、こんな卑怯者達との鼬ごっこが場所取りの際に行われる。ここで明言しておくが、私は6年間計12回長岡花火を見ているが、一度も不正をしたことは無い。この点だけは自慢できる。
しかし、文頭でも書いたが、今年の花火では様々な出来事が起こり、一生忘れる事の出来ない2日間となった。
次回へ続く・・・
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まず、システムについて説明しておこう。花火にシステムも糞もあるかとお思いかもしれないが、この長岡花火にはそれがある。そのシステムというかルールは主に場所取りに関するものだ。この長岡花火は河川敷を利用して行うが、花火との距離が異常に近い。一昨年は上から花火のカス(?)が降って来ることもあった。なので、河川敷の土手の上からでも花火は十分良く見えるのだが、そこは人間の性である。やはり最も接近したくなるであろう。
ここで、観覧場所について呼称を明示しておく。打ち上げ場所に近い順に河川敷A・河川敷B・土手と並んでいる。それぞれのランクを主観で次に示しておいた。
・河川敷A
勝ち組が陣取る。地元大学生や企業の連中が面子を賭けて奪い合う。目前に打ち上げ台があり、昼間は視認できるぐらいの距離。
・河川敷B
県外客などが多い。また、Aほど平坦でないため宴会などが困難。Aより打ち上げ場所からは遠く(約10m)、Aとの間に通行用の道が設けられているため、観覧する際に通行人が邪魔である。
・土手
高さ的には河川敷よりも数メートル高い位置にあり、下(河川敷B)に下りるための階段が設置されている。道路(サイクリングロード?)が通っており、やはり大会時は混雑するため、落ち着いての観覧が難しい。
さて、こう見るとやはり誰しもが河川敷Aで花火を見たくなるだろう。しかし、ここでひとつ重要なルールがある。
『当日の14:00までは場所取り禁止』
これである。どうやら、10数年前はそういったルールを設けていなかったため、大会1週間前からそこでキャンプをする連中が後を絶たなかったらしい。そういった連中排除のために設けられたルールであると言えよう。しかし、このルールの存在によって、当日14:00にヨーイ・ドンで河川敷に人が雪崩れ込むという、なんとも
しかし、大会中、このルールの解釈としては、河川敷での場所取りのみ禁止であり、河川敷外での場所取りは公認(?)されている状態である。よって、河川敷Aの場所取るために当日14:00まで、土手の上に待機するという『場所取りの場所取り』が存在する。つまり、前日や早朝から階段近くを確保し、14:00に真っ先に河川敷に駆け下りるという寸法である。
このシステムに則れば、早く来て階段近くを確保した者の勝ちとなる。しかし、ここで問題がある。土手から降りるのに階段を使わない連中の存在だ。私はこいつらをチーターと呼んでいる。まあ、そのままの意味だ。もちろん原則としては階段を使って降りなくてはならないが、このチーター連中は階段以外の場所に設置してある安全柵をも乗り越えて河川敷へ突進するのである。さらに性質の悪いスターターと呼ばれる(私が勝手に呼んでいる)連中もいる。こいつらは単純にフライングをする。これは14:00まで河川敷へは降りてはいけないというルールを覆す最悪の戦法だが、効果は絶大だ。そのフライングの仕方の巧妙さにより集団心理を煽って数万人を先導する事も可能なのだ。
私の経験上では過去に5分程度のフライングをしたスターターがいた。この時はさすがに数百人がやり直しを求め、大会本部に詰め寄ったが、河川敷陣取った推定5万人全員を土手上に戻すことは叶わず、損を蒙った人々は泣き寝入りするしたなかった。
とまあ、こんな卑怯者達との鼬ごっこが場所取りの際に行われる。ここで明言しておくが、私は6年間計12回長岡花火を見ているが、一度も不正をしたことは無い。この点だけは自慢できる。
しかし、文頭でも書いたが、今年の花火では様々な出来事が起こり、一生忘れる事の出来ない2日間となった。
次回へ続く・・・

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